第1話 出会い

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「おまえ、いつの時代の人間だよっ。喋り方も男みたいだし」  まぁ、そうだな。嫌んなるくらい言われ慣れてるよ。朱莉はまたか、っとばかりに肩をすくめた。  母方のじーさんと2人暮らしのせいか、物心付いた頃にはもう、朱莉はこんな時代錯誤な口調になってしまっていた。  言葉のせいで、からかわれた事も、一度や二度じゃないし、友人も出来辛かったが、別に構わない。  買い物に、炊事や洗濯、遣るべき事は山ほどあったし、友人との遊びに割く時間の余裕など、朱莉にはなかったからだ。  人と関わりたくない理由は、他にもある。
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