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夢だと思ったが、その後一和に酷く怒られた
何故森に行ったのかと──…
それを聞いて、私は森に行ったことが
夢でないことを自覚した
だが、 その時の記憶が不思議なもので、入ったのは覚えているが中で何が起きたのかまでは覚えていないのだ
でも、もう奥の森には行かないと一和と約束をしたから森へは近づくことはしないだろう
──それから12年の月日が経った頃
「香衣やー、掃除は終わったかい?」
私は17歳になった
言葉は話せないけど、そんな私の為に一和がスケッチブックを与えてくれた
〈もうすぐ終わる〉
「終わったら朝ご飯を食べて学校へ行くんだよ」
〈うん、分かった〉
そうだ、今年から高校三年生で18歳になるのだ
もう身のまわりぐらいは自分でなんとかしなくてはいけない
頑張らなくちゃ──…
香衣は急いで掃除を終わらすと
その場を離れた
───その身に
危険が迫っているとは知らずに──
……モウスグダ…
モウスグデ……テニハイルッ……
…カエ……モウスグデアエルヨ………
薄気味悪い黒い影は、不気味な笑みをして香衣をジッと見つめていた
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