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学校に着いた香衣は自分のクラスに入り、自分の席に座る
一番奥で一番後ろの席が香衣の席である
香衣はこの席がお気に入りなのだが“アレ”を含めると、話は変わってくる
……今日もコレを我慢しなくちゃいけないのかなぁ……
香衣は深い溜め息をするとチラリと窓の方に目を向ける
そこには、この世に未練を抱いている幽霊達がウヨウヨと佇んでいた
学校まで来るのも大変だったけど、何故か触れられたり、近づくことは昔からなかった
でも、こう……見られてるとなぁー
普通の人と変わらない見た目ならまだしも、事故とかで死んじゃった人は顔とかグチャグチャだったり見た目がグロくて見れたものじゃないんだよね……
香衣は、窓を見ないように視線を机に向けた
でも一和と約束したし、
我慢しないと!
早く学校が終わりますように……!!
『いいかい?香衣、お前は人には見えないモノが見える。だけどね、お前はお前だよ。私の可愛い娘だ』
………一和は、本当に私のことを娘のように思って育ててくれた
だから私も、一和に恩返ししないと
一和には幸せになってほしいし、もっと笑ってほしいから……
香衣は自分の制服のポケットに手を入れ、何かを掴むと深呼吸をして不安を拭ったようなスッキリした顔になった
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