第1話

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……そして、事件は起こった 「それでは、帰りのHRを終わります」 「起立、礼!」 授業も、掃除も終わった それから帰りのHRも終わった! 急いで帰ろう! 香衣は昼に見た夢で何かを感じたのか、今日は慌ただしく荷物を持って教室から出た それから下駄箱まで早歩きをして靴を履いた ……途端に、香衣の視界がグラリと後ろに倒れそうになった が、なんとか踏ん張った ────何っ!? 誰かが後ろに引っ張った感覚になり、香衣はとっさに後ろを振り向こうとした 「……っ馬鹿!振り向くんじゃねぇ!!」 その声に香衣はビックリし、後ろではなく前を見た しかし前には誰も居ない 香衣は周りを見渡したが、どこにも何もなかった 「うぉおおおお!!!」 また声が聞こえた それと同時に、後ろに倒れそうになった身体が一気に楽になった その瞬間にバランスを崩した香衣は、前によろけてしまう 香衣は転けると思い目を閉じたが、一向に痛みを感じない 不思議に思い香衣は恐る恐る目を開けると、なんと目の前に地面があった 「…大丈夫?ケガ、してない?」 またどこからか違う声が聞こえた 身体はゆっくりと浮くと足が地面に着いたのと同時に、不思議な力は消えた ……何が、起きたの?
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