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……そして、事件は起こった
「それでは、帰りのHRを終わります」
「起立、礼!」
授業も、掃除も終わった
それから帰りのHRも終わった!
急いで帰ろう!
香衣は昼に見た夢で何かを感じたのか、今日は慌ただしく荷物を持って教室から出た
それから下駄箱まで早歩きをして靴を履いた
……途端に、香衣の視界がグラリと後ろに倒れそうになった
が、なんとか踏ん張った
────何っ!?
誰かが後ろに引っ張った感覚になり、香衣はとっさに後ろを振り向こうとした
「……っ馬鹿!振り向くんじゃねぇ!!」
その声に香衣はビックリし、後ろではなく前を見た
しかし前には誰も居ない
香衣は周りを見渡したが、どこにも何もなかった
「うぉおおおお!!!」
また声が聞こえた
それと同時に、後ろに倒れそうになった身体が一気に楽になった
その瞬間にバランスを崩した香衣は、前によろけてしまう
香衣は転けると思い目を閉じたが、一向に痛みを感じない
不思議に思い香衣は恐る恐る目を開けると、なんと目の前に地面があった
「…大丈夫?ケガ、してない?」
またどこからか違う声が聞こえた
身体はゆっくりと浮くと足が地面に着いたのと同時に、不思議な力は消えた
……何が、起きたの?
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