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「早く仲直りしねーと後悔すんぞ」
裕也の声が夜空を舞って俺の耳に届いてくる。裕也の言葉には重みがある。同じセリフを雄二や俺が言うよりも裕也が言ったほうがはるかに説得力があると思う。
それは多分、裕也がキャプテンという立場で俺らよりも一つ高い場所にいるからだし、周りの俺らがいつの間にか裕也に頼りきってしまっているからだと思う。
「分かってるよ……」
ボソッと呟いた俺の声は裕也の耳に届くまえにふわっと消えてしまう。
両足に力を込めて自転車のペダルを漕ぐ。徐々に自転車のスピードが上がっていく。
夜風が身体に吹き付けてきて気持ちが良い。夏の間は毎日この冷たい夜風が火照った身体を程よく冷してくれる。
これは電車通学の奴らは味わえない、自転車通学をしている奴らだけの特権だ。
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