第2章 涙の理由 楓夏

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最初は顧問の岡本先生に用があるのだろうと思っていた。でも授業が終わって岡本先生が教室を去っても、ゆみちゃんは教室の入り口付近で中の様子を伺っている。 ということは、おそらくゆみちゃんのお目当ては私だろう。 「あの子可愛くね?」 男子たちがゆみちゃんの方を見て話していた。こらこら私の部活の後輩をそんな目で見るな、と言ってやりたいけれど話したこともない男子だったから無視した。 「ゆみちゃんどうしたの?」 中々声をかけてこなくて、我慢出来なくなり私の方からゆみちゃんの元にかけよっていく。私が近づいていくとゆみちゃんはホッとしたような表情を見せた。
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