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エレベーターがあるけど、現役時代は使用禁止だったからその癖でいつも階段で4階まで上がる。
……なかなかしんどい。
年か。いや、まだ若い、はず。
少し上がった息を整えて、音楽室へと向かう。
音楽室からは、発声練習の声が漏れ聞こえている。
途中で入っちゃうと発声を中断させちゃうし、終わったら入ろうかな?
私は音楽室の中にある小さな練習室の一つに入って、軽く発声と体操をした。
「「「ありがとうございました!」」」
少し経って、音楽室から発声終わりの挨拶が聞こえた。
それを合図に練習室から出る。
「わぁぁ!ミキティ先輩!おはようございます!」
「今日もお美しい……。」
「ミキティせんぱーーい!」
私に気付いた子達が挨拶してくる。
ミキティってのは現役時代の私のあだ名。
私の名前が三木 紅葉(ミキ クレハ)だから、ミキティ。
伝統的にあだ名を決めるのよね。
目をキラキラとさせて、高校生可愛い。
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