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「みんな仲良くしてやれよー。南樫、席はあそこだ」
そう言って、華川が指したのはミリの隣の席……なんて事はなく、教室の後ろの方、廊下側の席である。
(「付き合い無し」確定、と)
自分の反対側の席に座った南樫に心の中で烙印を押し、ミリは前を向く。
華川は、手をパンパンと叩くと、教室の注意を南樫から自分に引きつけた。
「二つ目の大事な話だ。最近、この辺りで若い女性が行方不明になる事件が起きている。誘拐かもしれないから、くれぐれも帰り道に気をつけろよ」
その言葉に、教室が再びざわめき始めた。
「連絡はこれで終わりだ。出欠とるぞ、相川ー」
「はい」「猪狩ー」「はい」「…………──」
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