にじゅうきゅうこめ

2/10
前へ
/325ページ
次へ
一度は逃げてしまおうとしたことだけど、ユウさんも唯人さんに迷惑をかけすぎるわけにはいかないと判断したようで、その問題がとうとうやってきた。 ユウさんのバツイチ。 本当に連絡しあっていない疎遠だったのに、唯人さんが繋いでしまったようにも思う。 でも、もともと恵子さんが唯人さんを呼び出すのにユウさんとのことを話していたというから、そうなるのは時間の問題だったのかもしれない。 仕事の休憩中、唯人さんからきたラインを見て、えっ?と眉をしかめた。 『昨日はごめんなさい。うまく話せなくてこじらせるようなことになってしまって。 また時間があれば会ってもらえればと思います』 それだけがきていて、すぐにそれが恵子さんから唯人さんに宛てられたものだとはわからなくて、何事かと思った。 唯人さんはメールだとこんなのかなと思ったりもした。 意味がわからないと返事をして、唯人さんからすぐに返信がきてようやくわかった。 というか、返信早すぎる。 既読になるのが早すぎる。 私があまり携帯を使わないだけなのかもしれないけど。 あれが恵子さんの言葉だったとして。 唯人さんと会うためのダシなのか、本心なのか私にはわからない。 唯人さんが私にも送ることにしたのは、どこか考えがあるようにも思う。 ユウさんだけで解決できないのか、それとも恵子さんと戻ると唯人さんは思っているのか。 ユウさんの態度だけをみるなら、ユウさんは恵子さんに懲りている感じがする。 どこか振り回されて嫌気がさしているかのような。 ユウさんをそういうふうに扱える人も少ないと思う。 私も振り回したと言えなくもないけど、ユウさんも浮気してくれて私も振り回されたところもある。 どちらかといえば、ユウさんがくれた放置は振り回されたと私が思うもの。 またメールが入った。 『昨日、イサミといた女、誰?知っていたら教えて』 私のこと? 返信したの?と私が唯人さんに返信してみると、唯人さんからはしていないという返信がすぐにくる。 休憩、そろそろ終わりなんだけど、もやつかせてくれる。 唯人さんに連絡先を教えるんじゃなかった。 ユウさんがどんな行動するのか気になってしまう。
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!

473人が本棚に入れています
本棚に追加