第1章

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*** 今新幹線に乗ったとして… 時刻表をスマホで調べながらエレベーターに乗り込む。 この時間は渋滞の時間が読めないからと電車に乗る。 久しぶりの電車。 こんな混雑の中に大事な体の麻美を乗せられない。 帰りはタクシーで帰ろう。 絶対に会える。 絶対につれて帰ると思ってた。 この時は… だけど、会えなかった 麻美を見つけることができなかったんだ… 改札で待ってようと思った。 うちの方に帰るのならこっちの降り場に降りてくると… でももしかしたら長旅で疲れてタクシーに乗るんじゃないかとか、 こっちに降りないんじゃないかとか。 いろいろ考えてウロウロしてしまったからなのか。 麻美! 大声で叫んでみる。 近くを歩く人が振り向きながら通り過ぎていくだけ。 返事など…ない。 帰るところもないのにここでどうやって暮らしてるんだ… 心配が増幅して、 立っていられなくなる。 結局何時間待っても麻美を見つけられなかったんだ… この時間、 駅で人を見つけるのは、 砂浜でコンタクトレンズを探すようなものだろう… それでもそっちの方がマシかもしれない。 どこかに行ってしまわないのだから… やっぱりこの近くには居てくれるんだ。 それだけが救い 捜していればきっと会える日が来ると… 希望だけは無くさないで置こうと決めた
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