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誰かと話をしたのは久しぶりだった…
ホテルの人とか食べ物やさんの人とかは必要最低限の話はするが、
気持ちを表すものではない。
優子が待ってくれて居たなんて…
信じられない喜びと、
夢でも見てるんじゃないかという信じられない想いで…
しばらくは何も言えなくて。
独りは平気だと自分に言い聞かせてた。
そうやってずっと
学生時代を過ごしてきたから。
だけど、
やっぱり独りは寂しい。
優子が前のように接してくれて、本当に涙を堪えるのがやっとで。
ちゃんとごめんなさいが言えたかどうか、
自分でもわからない。
ずっと手を握ってくれてて、
その手の温かさが私を包んでくれて。
どんなに安心したか…
そして、
一緒に暮らそうと言ってくれた気持ちは、すごく嬉しくて。
だけど。
優子と浩二くん、
卒業したら結婚をすると聞いて、
そのためにバイトをして貯金をしてるとも聞いて。
その邪魔はできないと思った。
きっと優子は私があそこに帰ると、
優子の将来の幸せの邪魔をしてしまうと思ったんだ…。
優子には、
優子にだけは幸せになってもらいたい。
浩二くんと普通の幸せを…築いてもらいたい。
そう思ったんだ。
私は…この子とちゃんと生きていくから。
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