第1章

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「マリアちゃん!」 すぐに出てくれたのはジュリアさん。 そう。 いちばんに頼れると思ったのは、ジュリアさんだった。 どうしたらいいのか… 相談に乗ってくれると…そう思ったんだ。 何も言わずに居なくなった私を怒ってるとは思ったけれど、 今はそんな事を考えてる場合じゃない。 赤ちゃんを守らないと… 「ジュリアさん…助けて…?」 すぐに電話に出てくれたことが嬉しかったのに、 助けて…なんて言葉がすぐに出てしまってた。 「どうしたの?今どこ?」 「ホテルです…」 「何があったの?心配してるよ? 私も店長も、それにオーナー。 彼と何があったの? 赤ちゃん居るんでしょ? 帰ってきたら? オーナーの顔色の悪いことと言ったら…」 「お願い! 彼には言わないで? 会えないの… お願い」 やっぱり…きっとジュリアさんは気付いてたんだ。 私がまだ店に出てるときから。 そして、 ジュリアさんも涼さんも… 今の私の状態を気にかけてくれてて… 「わかったわ。言わない。 どうしたの? 何があったの? 話せる?」 「赤ちゃんが…このままじゃ…」 覚えてる限り、さっき病院で言われたことをジュリアさんに話す。 そして。 「今日はこれから仕事だから、 明日の朝。 待ち合わせましょう。 休みを取るからマリアちゃんも荷物を全部持って来て? ホテルにいたんじゃ栄養なんて考えられないでしょ?」 ジュリアさんは明るく言ってくれた。 だから、 なんか私も少し落ち着く事が出来たんだ…
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