第1章

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次から次と近所の由里亜さんの友達が訪ねてきて、 一人で過ごして、一人でいろいろ考えてた自分が嘘のように楽しくて。 本来、人はこういうものなんだろうと考えた。 独りじゃ生きてはいけない。 私の世界が狭すぎて… そんなことも知らなかったんだな…とか。 「カズはお隣さんで同級生。 物心ついたときから一緒に育ってきて、 幼なじみ。 この田舎から出たことがなくて、すっごいダサいけど、 いいヤツだから。 何か困ったことがあったらなんでも相談するといいわ。 自分のことのようにちゃんと考えてくれるから」 眠る前にそう言ってくれた。 本当にそうだと思う。 ここの人は私が知ってる人たちとはどこか違う。 夕方集まってきた由里亜さんの友達も、 私が妊娠中だと聞くと、わざわざ家に帰って、 妊娠中に着てたマタニティドレスを持ってきてくれたり、 妊娠中に着くCDを持ってきてくれたり… あっという間にいろんなものが集まって。 ここに来た理由も何も聞くことなく、 普通に接してくれたのも、 すごく嬉しくて。 「由里亜さん…本当にありがとうございました…」 ちょっとウルッとしてしまう…
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