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「お待たせして」
俺の前に座った由里亜ちゃんはちょっと疲れた顔をしてた。
朝…何時頃だったか眠ってるときにメッセージが入って、
寝ぼけ眼でそれを確認すると、
【今日会えます?
麻美ちゃんのことで話があります。
お昼過ぎなら大丈夫なんですが】
何度も確認するが、麻美という字に間違いはなかった。
【大丈夫です。
じゃあ13時にいつもの店で】
すっかり目が覚めて、
シャワーを浴びる。
髭を含めて眉などを整えながら、
鏡を睨む。
麻美…見つかったのか?
連絡があったとか、見かけたとか。
そのくらいの類の話だと思った。
それでも何もわからないでただ、心配してるより、ずっといい。
それに一緒に心配してくれてる彼女の存在が、
暗い闇の中でもがき苦しむ俺にとっては、
一筋の光でもあったんだ…
「いいえ?今来たところです。
ちょうど時間ですし」
チェーン店のコーヒーショップ。
窓際の席だからか、
俺の目の前に明かりが射して、
そこに彼女が座った…
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