第1章

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情けない俺の未練を、 絶ち切ってくれる人を待ってたのかも知れない。 そして、 それが彼女であると、薄々、気付いてた… と言うか望んでた。 麻美と俺の関係を全部話したわけではないけれど、 勘のいい彼女のこと、 きっとそれもすべて気付いてるのだろう。 「一緒に…踏み出してくれるんですか…?」 その言葉… もう一度、言って欲しいよ… 「ええ、私もひとりじゃ怖いから… 私に付き合ってくださいます?」 テーブルの上に置いた手に、彼女の手がそっと伸びる うんうん…と、 言葉にならない声。 ふうーっと… 黒い影の部分だけが、どこかに飛んでいったような… 日だまりの香りがしてた やっと… 出口が見えた。 彼女が出口だったんだ。
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