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情けない俺の未練を、
絶ち切ってくれる人を待ってたのかも知れない。
そして、
それが彼女であると、薄々、気付いてた…
と言うか望んでた。
麻美と俺の関係を全部話したわけではないけれど、
勘のいい彼女のこと、
きっとそれもすべて気付いてるのだろう。
「一緒に…踏み出してくれるんですか…?」
その言葉…
もう一度、言って欲しいよ…
「ええ、私もひとりじゃ怖いから…
私に付き合ってくださいます?」
テーブルの上に置いた手に、彼女の手がそっと伸びる
うんうん…と、
言葉にならない声。
ふうーっと…
黒い影の部分だけが、どこかに飛んでいったような…
日だまりの香りがしてた
やっと…
出口が見えた。
彼女が出口だったんだ。
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