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「あんた！」
声を上げてちょっと辺りを見渡す。
声を落として、
「そんな嘘、すぐにバレちゃうよ？
それに仕事先の人にそんな…
差し支えても知らないからね？」
その瞬間、カズは真剣な顔になって…
「案外嘘じゃないんだ…
俺さ、麻美ちゃんと麻美ちゃんの赤ちゃんを守っていきたいって思ってる。
独りで子供を抱えてなんて苦しい人生…
歩かせたくない。
赤ちゃんの父親になって、
傍にいたいと…思ってるんだ…
もちろん今は何も言わないよ？
赤ちゃんが産まれて、ちゃんと落ち着いたら、
自分の気持ちを告白したいとか…考えてる」
アワアワと何もいえないで居る由里亜に、
「教えてほしい。
ユリは知ってるんだろ？
相手の男のこと。
一度話をしに行きたい。
もう麻美ちゃんのことはきっぱりと忘れてほしいって」
頭を抱えて、
由里亜は、何も言えなくなってしまった…
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