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夕暮れの駅のロータリー。
学生や仕事帰りの人々が慌ただしく動く構内に、
あのマリアは消えていく…
とぼとぼと…
後悔の気配だけを残しながら。
疲れてるように見えた。
目の下には隈をつくって、
誰かに頼りたかったのか。
彼女の実家は遠くて、両親にも頼れなかったのだろう。
だからといってうちに来るのはお門違いだということぐらい、解ると思うんだが。
人の気持ちは良く解るヤツだと思っていたのに。
まだ俺が…
待ってるとでも思ったんだろうか。
あんな風に麻美も…
ここからどこか知らないところに消えたのだろうか。
重い荷物を持って、
あんな風にとぼとぼと…
人混みに紛れて。
気持ちを思うと切なくて苦しい。
あのマリアが訪ねてきて、
あのマリアの状態を見て、
居なくなって悪かったと言われれば、
あのおなかの中の子供が俺の…だと勘違いしてもおかしくはない状況だったはず。
体調が悪いと、伏せってたことも、
俺に感づかれないようにと必死で妊娠を隠してたんだ…
どうして気付いてやれなかったのか。
ちょっとした変化を感じ取るのが俺の仕事なのに。
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