薔薇の眠り姫

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過ぎた悲しみが言わせる妄想だと誰もが思いましたが、その夜、異変が起きました。 令嬢が眠りについたまま、目覚めないのです。いくら呼び掛けても、いくら揺さぶっても。 おとぎ話のように、眠ったまま愛しい恋人を待ち続けるのだろうと不憫に思ったご両親は、誰にも見つからぬ小部屋を作り、愛娘を隠したのです。 何しろ迷路のように広うございますからね。隠し扉には目印にと、それとはわからぬように薔薇の彫刻をさせて… 今でもこの城のどこか一室で令嬢は眠り続けておられるのです。
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