act.2

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一輝たちが走り出してから1年が経った。 それは、一輝たちが、いつもの峠に走りに行った時の事だった。 その中でも、祐一と聡は、飛び抜けて速かったが、一輝も天性のセンスを見せ始め、目まぐるしい上達ぶりを発揮しだした。 ギュギュギュギュ! 「祐一!レビンって1600だよな!なんだよ、あの速さは!」 「オイ、晃!ハチロクをナメチャだめだぜ!しっかし、何なんだろうな? 一輝の上達は? あいつ、レビン買ってから相当、峠に通ってるんじゃないか?」 すると聡が 「祐一が一輝くんに抜かれるのも時間の問題じゃないの?笑」 「バカ言え、まだ一輝には負けないよ!」 そして、一輝が走り終えて戻って来た。 「一輝!なかなかサマになって来たな!しかし、まだまだ俺には勝てないぜ」 「アハハ、俺なんてまだまだだよ。それより、祐一! さっき、セリカXXが居ただろ! アイツ、メッチャ速いぞ!」 すると、聡が 「セリカXX?ってまさか?」 祐一は何か心あたりが、ある様で 「一輝、そのセリカと走って来たのか?」 「さっき、思いきり煽られてさ! 道を譲ったが、その後、全然追いつかないんだよ! コーナーなんて、完璧なドリフトで抜けて行ったぜ!」 すると晃が 「そのセリカXXって、アイツか?」 祐一は、考え込みながら 「恐らく奴だ!」 すると、話しの読めない一輝が 「なんだよ!祐一たちの知り合いなのか?」 「一輝くんは、知らないかも知れないが、そのセリカXXのドライバーは沢田哲平って奴で、祐一たちと同じく2年遅れで入学して来たが、奴は去年、留年が決まると自主退学したんだ!」 すると聡が 「それだけじゃないんだ、沢田は言うなれば祐一の宿命のライバルってとこさ、バイク時代はテクは互角だったが、車となると、話しは別だよ! 沢田は、ガキの頃からカートやサーキットでレーシングドライバーの英才教育を受けた男で、しかも身内にプロのチューナーも付いてるんだ! 俺たち峠の走り屋が、どんなに頑張っても得られないものを、沢田は持っているんだ!」 すると一輝は、 「どおりで、、、だがよ祐一!」 「なんだよ、一輝!」 「パワーの差があるならば、例えばダウンヒルならテク次第では勝てない訳じゃないんだろ?」 「一輝!バカ言うなよ。 奴は、ガキの頃から鍛えてるんだぞ!俺たちが頑張ってみたところで、いくら下りでも無理ってモンだぜ!」 祐一は、笑った! 「なんだよそれ!」image=488016926.jpg
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