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一輝たちが走り出してから1年が経った。
それは、一輝たちが、いつもの峠に走りに行った時の事だった。
その中でも、祐一と聡は、飛び抜けて速かったが、一輝も天性のセンスを見せ始め、目まぐるしい上達ぶりを発揮しだした。
ギュギュギュギュ!
「祐一!レビンって1600だよな!なんだよ、あの速さは!」
「オイ、晃!ハチロクをナメチャだめだぜ!しっかし、何なんだろうな?
一輝の上達は?
あいつ、レビン買ってから相当、峠に通ってるんじゃないか?」
すると聡が
「祐一が一輝くんに抜かれるのも時間の問題じゃないの?笑」
「バカ言え、まだ一輝には負けないよ!」
そして、一輝が走り終えて戻って来た。
「一輝!なかなかサマになって来たな!しかし、まだまだ俺には勝てないぜ」
「アハハ、俺なんてまだまだだよ。それより、祐一!
さっき、セリカXXが居ただろ!
アイツ、メッチャ速いぞ!」
すると、聡が
「セリカXX?ってまさか?」
祐一は何か心あたりが、ある様で
「一輝、そのセリカと走って来たのか?」
「さっき、思いきり煽られてさ!
道を譲ったが、その後、全然追いつかないんだよ!
コーナーなんて、完璧なドリフトで抜けて行ったぜ!」
すると晃が
「そのセリカXXって、アイツか?」
祐一は、考え込みながら
「恐らく奴だ!」
すると、話しの読めない一輝が
「なんだよ!祐一たちの知り合いなのか?」
「一輝くんは、知らないかも知れないが、そのセリカXXのドライバーは沢田哲平って奴で、祐一たちと同じく2年遅れで入学して来たが、奴は去年、留年が決まると自主退学したんだ!」
すると聡が
「それだけじゃないんだ、沢田は言うなれば祐一の宿命のライバルってとこさ、バイク時代はテクは互角だったが、車となると、話しは別だよ!
沢田は、ガキの頃からカートやサーキットでレーシングドライバーの英才教育を受けた男で、しかも身内にプロのチューナーも付いてるんだ!
俺たち峠の走り屋が、どんなに頑張っても得られないものを、沢田は持っているんだ!」
すると一輝は、
「どおりで、、、だがよ祐一!」
「なんだよ、一輝!」
「パワーの差があるならば、例えばダウンヒルならテク次第では勝てない訳じゃないんだろ?」
「一輝!バカ言うなよ。
奴は、ガキの頃から鍛えてるんだぞ!俺たちが頑張ってみたところで、いくら下りでも無理ってモンだぜ!」
祐一は、笑った!
「なんだよそれ!」
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