千里の道も一歩から

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「うん、まぁ…だいぶスペルも覚えてきた様だし…後は実践あるのみね。」 大量の本の下敷きになっているリゼルを前にリアは一度頷くなり軽く手を叩いた。 「…?実践って言ったって、どうやってやるんだよ?」 「今からあたしがとある魔術をそこらじゅうに発動させるから全て封印してみせなさい。」 「……とある魔術…?」 首を傾げるリゼルを放置してリアは右手を前に突き出した途端辺りに無数の魔法陣が浮かび上がった。 「うっわ!?なにこれっ!?」 「あの魔法陣を全て封印しなさい。」 「いや、お前…封印って言ったって…魔力持つのかよ…。」 「あの魔法陣は詠唱を唱えていない分やわだから軽く魔力消費すれば消せるわ。まぁ、これもコントロール必要だけどね。コントロール誤れば魔力の消費が激しくて倒れるから。」 ―な、なんて鬼畜なっ!!? リアの笑みに表情を引き攣らせたリゼルだったが仕方なく無数に散らばる魔法陣に体を向け目を瞑った。 ―やわ…か…ならっ! 「っマジックシール!!」 「……。(こいつ、詠唱せずに術を……練習にならない…。)」 リゼルは勢い良く目を見開くなり叫ぶと一瞬のうちに無数の散らばる魔法陣が姿を消した。 「ちょっとっ!なんで詠唱しないのよっ!!てか、一瞬であたしの発動魔法封印するってどういう事よっ!!」 「えっ…いや…あの……。」 リアの理不尽なまでの罵声を浴びせられ笑みを引き攣らせる事しか出来なかったリゼルであった…ー。
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