不穏な空気

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怪しげな笑みを浮かべたザーランドにゆっくりと顔を向けたアザリアはニッコリと微笑むのみだった。 「……気に食わんな。どれ、我がお相手させてもらうとするか。」 アザリアの態度に無愛想に応えたガルドはゆっくりと立ち上がるなりその場を去って行った。 「あぁ…ガルドの奴…下手したら相手を殺しかねないよ?手加減を知らないからね。」 「……軽率な行動はするなとあれ程言われてまだ分からないなんて…どうしますのアザリア?」 「カナリア、勝算はどちらだと思いますか?」 ザーランドは欠伸を交えながら実につまらなさそうに答えたのに対し、不機嫌そうにアザリアに問い掛けたソリシアの問いには答えずアザリアは隣で未だに地図に手をかざしているカナリアに問い掛けた。 「……たぶん…ガルド、勝てない。」 「やはり、そうですか…。」 「カナリアが言う以上、間違いなさそうだね。」 「ますますどうしますのよ。本当に厄介っ!」 地団駄を踏み始めたソリシアに対しアザリアは至って表情を変えず、ただ単に密かに笑みを浮かべるのみだった。 「今回は一旦ガルドに任せます。私達は“例の件”を実行に移す為、ことを進めましょう。」 「…本当に上手く行くのかい?どうやら他国はクロスフィアの不穏な動きを察知し、対策を練っているそうじゃないか。」 「…………戦争…。」
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