ペットには首輪を付けましょう

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焦る二人に大男は一度、窓の外を眺めるなり再度リア達の方を振り返り右手から怪しげな黒いモヤを放ち始めた。 「あ、あれは……―」 「黒魔術…。なるほど、道理で容易くこの場所まで来れる訳ね。(空中都市…ほぼ閉鎖都市とも呼ばれるこの場所に来れる程の実力…マズいわね。)」 セレナの言葉を引き継いだリアは引き攣りながらではあるが笑みを浮かべて余裕がある素振りを見せた。 「ほぉ…貴様か。黒魔術に詳しい女とは…だが、あいにく我は貴様などはなっから眼中に無い。奴だ、かのリーゼル・アステリオンはどこにいる?」 「………。(どうする?今の所あたしやカイト、セレナの影に隠れてリゼルの姿は見えていないだろうけど…。)」 大男の言葉に一気に場の空気が張り詰めたのを感じた。 今の状況で敵襲とは、余りにもタイミングが悪過ぎた。 リアは冷や汗が流るのを感じながらも策を練ろうとした所で背後からモゾモゾとベッドの中で動く音が聞こえ肩を震わせた。 「……?そこの奥…そこにいるのか…?」 「…―っマズいっ!?」 ここぞとばかりにタイミングが悪い事にベッドでモゾモゾする何かに気が付いてしまった大男はリアの反応よりも早く右手を横殴りに振り払った。 一瞬の静まりが辺りを包んだと思いきや突然の風圧がリア諸共、ベッドで眠るリゼルを守るように座っていたセレナとカイトを見事に吹き飛ばして行った。
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