ペットには首輪を付けましょう

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涙を浮かべるアーカムの叫び声と共に大男が哄笑しながら手に渾身の力を込めようとしたまさにその時だった。 「……な…んだと……?」 「っな…!?」 突然の事に思わず目を見開いたリアに対して大男はこちらも目を丸くしながら力を込めようとしていた手を緩め視線を下に向けた。 大男の目に映ったものは真っ赤に染まった自身の胸元とそこに突き刺さるリゼルの腕だった。 「おのれっ!!小童の分際で…生意気なっ!!」 「リゼルっ!!」 大男は勢い良く突き刺さるリゼルの腕を引き抜くなり勢い良く放り投げた。 未だに眠り続けているリゼルに抵抗する余地は無く、何枚もの壁を破壊しながらリゼルは奥の部屋へと吹き飛んで行ってしまったのを慌ててリアが痛みを堪えながら追いかけて行った。 「…っく…まさか無意識に敵から身を守るとは……我も甘く見られたものよ…次こそは八つ裂きにしてくれるわ。」 大男はリゼルが吹き飛んで行った方を眺めながらも胸元を右手で押えつつ物凄い形相でその場から地響きをたてながらリゼルのもとへと駆け出していった。 「リゼル…っいた!!ちょっと、しっかりしなさい!!」 「うぅ……痛い……。」 「いつまで寝ぼけているつもりよっ!!いい加減起きなさい!」 リゼルはたまたま空室だった無数の部屋の壁の瓦礫の上に大の字になって伸びており、リアはそれを見つけるなり慌てて駆け寄った。
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