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そろそろ本格的な設定を決めたい。だから、最終的にプロットを決めるため、俺は今日一日いつも以上に二人を観察することにした。ちなみに今日は授業中も全部創作活動にあてるつもり。
もちろん、一人でその二人のやりとりをガン見するわけにもいかないので、俺は唯一無二と言ってもいいほどの俺の親友である林くんに協力してもらうことにした。
林くんはなんの知識もない一般人だし、ノンケなんだけど結構なんでもウェルカムな人で、俺のこの趣味にも嫌な顔一つせずに付き合ってくれる。
「どう、いけそう? この前の話から、何か進んだ?」
林くんが首を傾げるのに合わせて彼のサラサラな黒髪が揺れて、潤いのある大きな瞳が、俺を見つめる。
林くんがやると、可愛く感じる。
彼は、一言でいうと、とても綺麗な子だ。男の子なのに。だから、佐藤くんや牧原くんとはまた違う層の女の子に、やっぱりモテる。
「うん。いつもありがとね。林くんの協力のおかげだな」
今だって、こうやって廊下で普通に林くんと話しているふりをしながら、二人の会話に耳を傾けている。
林くんがなぜこんな何の取り柄もない、俺なんかと居てくれるのかはよく分からない。
こんなに林くんが協力してくれているのにもかかわらず、あの2人の関係はなかなか進展しない。
……まぁ、俺が勝手に腐った目で見てるだけなんだし、当たり前と言えば当たり前なんだけど。
さすがにこのままずっと何もないままだと、更新が滞ってしまう。二人の性格を元に妄想で書き進めるのも、まあ、ありといえばありなんだけど……。
所詮、俺の頭で思いつくレベルの話でしかないから、ありがちな話にしかならない。せっかく現実にモデルがいるんなら、なるべくリアルな描写がしたい。
考え込んでいると、林くんが他の友達との話を切り上げ、俺の元に来てくれた。
「調子はどう?」
「全然ダメだよ、ちっとも進まない。……俺自身も、スランプかも」
「やっぱり? なんか浮かない顔してたからさ」
相変わらず、こんな俺なんかを気にかけてくれてるなんて林くんマジ天使。
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