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「ねぇ、今の話が進まないんだったら、他の話書いちゃわない?」
いいことでも思いついたと言いたげに、林くんは目をキラキラさせながらそんなことを言った。
「え?」
俺はというと、まさかの林くんからのその提案に驚いて、思わず声が若干裏返ってしまった。
は、林くん、意外と興味津々だったんですか……?
理解があるわけではなく、まさかの、同類……?
いやいやそんなことあるわけない
林くんは天使なんだそんな子が俺なんかと同じ趣味なわけが……!
とか俺が呆気にとられて馬鹿なことを考えている間も、林くんはその笑顔を全く崩さずに続きを言う。
「だから、例えばね、BL小説作家と、ノンケの男の子の話とか、どうかな!」
なんということでしょう……。
林くんの口から、BLとかノンケって単語が出てくるなんて、もう、俺それだけで気絶してしまいそう。
俺は君をそんな子に育てた覚えはないぞ!
「おーい? 聞いてる??」
どうしよう、頭痛が痛い。
「う、うん。聞いてる聞いてる、大丈夫。ただちょっと、頭痛くなってきたから、俺次の授業休もうかなー、なんて……あはは」
頭が痛いのはほんとなんだけど、とりあえず今は一人になりたい。混乱が混乱をよんで頭の中がほんとにパニック状態。
「じゃあ、一緒に行くよ!」
林くんは俺の内心も知らずに、無邪気な笑顔を浮かべるとそう言った。そして俺は絶対に行くと言い張る林くんを突き放すことができず、結局林くんに保健室に着いてきてもらった。
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