第二章

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『一人。』 『殺さないのに殺す?』 『精神をってことか?』 『いやそれだとあれだろ。死亡願望すら失われる。』 ニヤニヤと、気味の悪い笑みを浮かべ、その風景を眺める支配者。 「いい筋いってますて。もう少し考えてみて下さい。」 考えるのを放棄するかのように一様に現支配者を見やるもので、呆れたように現支配者は言い放った。 『いい筋いってる、ねぇ。ヒントが何とも中途半端。』 『歴代そうだろ。意地が悪いんだ、支配者ってのは。』 『自分も支配者だろ。にしても精神の方の話か。』 『ルール上で殺す、つまりやっていくうちに殺されていくとか。』 『自発的に?』 また迷い人も話し、いやあれは一方的なものだから会話すら成り立っていないが。迷い人の発する音は誰にも届くことなく虚しさだけを残す。 『わからん。ケイに聞きましょ。』 ケイ、慧。つまり現支配者。 「はぁ、皆様難しく考えてすぎなんです。簡単に考えましょ。」 ふわりと笑い、蔑む。 「自発的に生を求めてきた頃殺すんです。つまり存在も死亡願望も殺す。なんとも面白いと思いません?」 切れ長の目を細め、赤く整った唇を歪めた。 「ルールは簡単!校舎内のちょー楽しいミッションゲーム!」 ちなみにミッションゲームの直訳は任務遊び。
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