第二章

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傷は完治している。 今まで顔全体を覆い、肩甲骨の真ん中辺りまであった髪は、今ではさっぱりとして居る。 「ふっ、相変わらず滑稽だよな。」 俺が生きる理由であり、よく似た少年が存在できる理由。 『なに言ってるのさ。』 響く声。 「俺にも思うことがあるってだけの話さ。」 廊下に出た瞬間から聞こえる喧騒の場を避けながら歩く。 「けーいー、珍しく遅いな次いでに髪短ーい。」 おぉう、ばれましたね。 「はぁー、落ち着く。」 「重い。降りろ、真澄。」 神木真澄(かみきますみ)、俺の知り合い、って言いたい。 「にしてもお前、可愛い違った。イケメンだったんだな。」 「はぁ?なんだよ、気持ち悪い。」 『良かったじゃない。』 五月蝿い。 「周りをみろよ、みんな騒いでんの、お前に。」 いつも通り真澄に対してだろ。 「おはようございま~す。」 「はよ。」 ガラガラー勢いよく扉を開け放ちズカズカ入って座る。 「あんなやつこのクラスに居たっけ?」 「てか今日鈴原来てなくねぇ?」 え、なにこれ集団イジメ? 鈴原来てますけど。 「ってかかっこいー。」 「いやあれは可愛い系っしょ。」 可愛いか?真澄は男前系じゃねぇの? 『とことん鈍感&無意識。』 なんの話さ。
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