第1章

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これが命の痛みなんだ。しかも俺はこの痛みが 地獄行きへ直結すると宣告された。  正直に言う。再生したとき。功徳を積まずに ダラダラしていれば、一生メメ様のお側にいられるって。  ハハハ。そんなに甘くないよな。俺の功徳はいま ほんの僅か。でも、紙の裏側に映った血の一文は いきなり半分になっている。結局は。  俺はやっぱり死んだのだ。天か地か選んで進む。 そういう猫なんだ。でも、これだけはメメ様に 内緒にしてもいいだろう?!だってこれは  俺、ライトの生き様なのだから。俺のもんだ。  さて。痛くて寝返りをうつ事も出来ないのだけど 犬猫病院で、包帯まみれの猫に抱きついてワンワンと 泣いてくれてる。倉庫会社の主任さんも付き添っている。  なんて、優しい人々なのだろう。もう俺は手抜きしない。 彼女、彼らの為に功徳積むよ。ビビアン。と言ったか?! 『あい。』  よし。手伝え。俺が今日からお前の兄貴だ。何でも頼れ。 『あい!ライトニーニ!』  ニーニってのは兄さんって意味かな。まぁいいや。 ところで、ビビ。頼みがあるんだ。 『あい!ニーニの言う事なら何でもでち!』  うんとな、俺たちの愛すべきメメ様に、言って欲しいんだ。 『あい!アタチどうしたらいいでしょう!』  簡単な事だ。その隣で寝てる三毛猫はメスで俺じゃないし 俺はその隣で寝てるから、飼い主なら間違えないでくれと。 そう伝えて欲しい。出来るか? 『頑張ってみるでち!』 「不安だぜ。やれやれ。」
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