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じゃない。ビビアンがいる。でもライトの気持ちを考えると。
やはり貰い手を探さないといけないと思う。ビビアン。
毛が抜けて、歯が抜けて、痩せこけて。多分誰も貰ってくれない。
どうしたらいいの。こんなときこそライトだけが頼りなのに。
ライトぉぉぉおおおおお!
という、家のなかの悲痛なメメ様の鳴き声を玄関横の
ライト小屋で聴いてる。人間のように話して道具が使えて
二歩足であるけるからといって、同時に4速歩行も出来るし
猫語も喋れるし、猫ヒゲレーダーも使える。
なので、ライトはさっきからこの玄関にいる。
風呂敷から自分のご飯を出して食べている。
ライトはメメ様とは全く違う事を考えている。
正直にばらしてしまおう。あの我侭女王様のメメ様は
多分、飼い主なんか探さない。最終的に家で飼うって言うはず。
でも俺様こと、ライトのようにほとんどペットではなく
雑用からアルバイトまでこなす俺に慣れちゃった以上は
このままだと、ビビアンだかなんだか知らないが
あいつの面倒を見るのは確実に俺になってしまう。
だから猫を飼う感覚を思い出すまで、勝負ですよ。
頑張ってメメ様。俺は明日からアルバイトに行きますので。
その間に仔猫の飼い方を思い出して下さい。
というわけだ。ビビアン。しばらくの間メメ様を頼むぞ。
そうして翌朝、ライトは仕分け倉庫のアルバイトに向った。
ちなみにお腹一杯になったビビアンは、メメ様の家中に
自分の匂いを擦り付けて縄張りを拡大するのに、懸命だった。
三者三様に、何処吹く風という一夜であった。
<さて、同時刻の三者三様を順に見ていきたい。>
1:ビビアンの場合。
何が何だか解らないけど、とにかくアタチを拾ってくれた。
この人がごちゅじんたま(ご主人様である。ご囚人様ではない。)
朝ですよ。ご飯ですよ。起きてくだしゃい。起きて、起きて。
グリグリ。ペロペロ。ムニムニ。
アタチは生まれて直ぐカカさま(母様)から、遠く離されて
あの土手のダンボールに投げ込まれまちた。だから母様のことは
憶えていないのでち。なので、拾ってくれた人がカカさまでち。
とにかく朝だから、ご飯。ご飯。ムニムニ。
2:メメ様(新木芽々子)の場合。
「むうん。昨日は疲れてるんだし、締め切り過ぎたから
もうちょい寝かせて。ライトー。ご飯作ってくれたら起きるから
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