第1章

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『キャー!主任最高!モテるでしょう!イケメンすぎです!』 「おだてるなよ(笑)じゃあ、ミルクもあるからね。」 『うっひょおー!主任、抱いて!私、主任に惚れますよ!』 「ハハハ!コイツゥ!元気つけて午後も頑張ってくれよ!」 『エヘヘ!残業でもなんでもカモーンですよ!』 <同日。何だ、この展開。三者三様の夕方。> 1:ビビアンの場合。  カカさまがお電話してる。どこにお電話してるのだろう。 病院かな。またお注射なのかな。痛いのもう嫌でち。 アタチ病院は嫌でち。怖いのは嫌でち。でも。  一人ぼっちはもっと嫌でち。カカさまが行けというなら アタチは頑張るでち。でも、すぐなのは嫌でち。心の準備。  長い長い廊下。薄暗くなってきている玄関の光。闇。 大きな背の高い影が、立っている。 「おまえは誰でちか!ここはカカさまとアタチと、 今朝、見回りに出かけたニーニしかいないはずでち。 (兄さんという意味らしい。多分、ライトの意味。) どこから、入ったでちか!ニーニが居ない間はアタチが アタチが守るのでち!」  ペタ。  その背の高くて細い体の化け物は、逆立ちしてるのか 足の方に頭があるでち。妖怪とかいうものでち。 でも、猫は妖怪やオバケなんか1歳児でも怯まないのでち。  いざ、勝負!押して参る!(文字通り。)  ペタ。 「くっつけて、前足を封じるのは反則でち!引っぺがすでち! 前足は二本あるのでち!」  ペタペタ。 「ずるいでち!二本ともくっついたら歩けないでち! 不快!不快でち!後ろ足で蹴りまくるでち!」  ペタペタペタペタ。(封印完成。) 「カカさまー!助けてー!ミニャアアアア!」 2:メメ様(新木芽々子)の場合。 「あ、もしもし。えっと迷子猫の依頼ではないのですが、 犬猫探し探偵さんの【マッチョー事務所】さん、でしょうか? あ、はい、あ、えっと、家の猫は探しても多分見つからない いえいえ、そちら様を信頼していないとかではなく、 あ、あ、そうだ。えっと放浪癖のある猫なんで、戻るんです。 はい、そうなんです。ムー○ンに出てくるス○フキンみたいな。  そう。そうなんです。閻魔堂?コンニャク?ちょっと待って、 何でそんなこと知ってるんですか?え?あ、いや何でもないです。 あくまでこっちの事で……とにかく、とても敏腕な探偵さんだと いま確信したのでお訪ねしたいのですが、最近、仔猫が生まれて
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