第1章

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 ワイヤーはちゃんとしていたが、バランスが一瞬傾いた。 何箱もの、数十キロもの貨物が。ライトの真上に。  ドガシャーーーン!! 「ラ、ライト君!」 「わあああ!無事か!」 「いいから荷物どけろ!すぐに救急車だ!」 「どっちですか?!病院?犬猫病院ですか?」 「どっちでもいいんだ!先に到着できる方を呼べ!」 「がんばれ!ライト君、諦めるな!」 「主任、血が、血が、止まらないです!」 「動かすな!下手に素人が動かしてはいかん!」 『ほやあ。ここはどこでしょう。か?』 「相変わらず。間抜けにも程があるのお。」 『ああ!ナムサンさん!お久しぶりです!え? ってことは、俺、もしかして……。』 「だな。」  三途の河の渡し守り、死神763号さん(ナムサン)は 煙草をくわえてから、近くのマッチをチラチラみてる。 『あ、火ですね。つけますつけます。』 「おまえ、ホントに気が効くようになったなあ。」 『はぁ、恐れ入ります。』 「恐れ入りますじゃあねえよ!」  ナムサンは煙草を河に投げ捨てた。ジュ!煙が上がる。 『あのー。煙草をポイ捨てするのは駄目ですよ。』 「キサマ、猫の分際で死神様に何を説教たれておるのか?! というよりも、ナムサンとかいうあだ名で呼ぶな!無礼な!」 『まぁ、それはいいんですけど。』 「よくないだろう!全然、よくないだろうが!」 『じゃあ、よくないですけど、ともかくやっぱり、 俺は再び死んじゃったんでしょうか?』 「バカモーン!そうそう命を何度も死にやれるか! こんな簡単に死ねるなら、閻魔様だとて面倒な手続きは 踏んでおらん。(【ライト】の第一話設定参照。)」 『はぁ。じゃあ、何故ここに?』 「閻魔様のお達しだからじゃ。」 『どういう事でしょうか?』 「お主と、飼い主の新木芽々子という者は、閻魔様との 縁を繋ぐ為に毎週、隣町の廃寺になった閻魔堂へ、 コンニャク供養に参っているな。」 『コンニャククヨウって言い難いですね。』 「そんな事はどうでもよいのだ!」 『あ、はい。』 「その心がけ(ワイロ)あって。お主の現世の処置を 教えて進ぜよう。」 『へ?えっと功徳を積んで六文銭、分貯まったらOK っていうのと違うのですか?』 「実は違う。やはり猫は浅はかであるな。」 『悪かったですね……。』 「拗ねるな。よいかお主は再生したといっても、 転生した訳ではないのだ。従って怪我むするし
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