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「まあ貴様が驚くのも無理はない。生まれながらに魔力を持った人間、マジックナイトの種族は、我々が根絶やしにしたのだからな」
「ぐっ……だがお前はマジックナイトではないだろう?なんで魔力を使えるんだ?」
「簡単なことだ。確かに私はマジックナイトではない。マジックナイトの能力を、とある方法で取り入れた、人工マジックナイトなんだよ」
「人工マジックナイト!?…ははは、そういうことかよ」
イアランは、笑ったが、覇気がない。
それもそうだ。元々の能力がほぼ互角。そこで相手が能力アップをしたとなれば、もう勝ち目などほぼ無いのだから。
「皮肉なもんだなファルコン…お前たちが絶滅させたマジックナイトの血を、まさかお前自身が受け継ぐことになるとは」
「それが遺言でいいんだな?」
ファルコンは再び身構えた。先ほど受けた剣戟で、自身の剣は折れてしまい、もはや守る術すらない。イアランは覚悟を決めた。
「だが寂しがることはない。どうやら貴様の息子も、すぐに同じ場所へたどり着く。あの世でまた修業でもするがいい」
「くっ…」
イアランの目線が、クリアスの方を向いた。
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