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「ク、クリアス!」
クリアスは地面にうつ伏せになって横たわっていた。体には無数の切り傷。どう見ても戦闘不能状態だった。
「いくらバスタードソードを使っているといってもまだ若い…それに相手は親衛隊5人…さすがに無謀すぎたな。まあ、親衛隊の盾を3個も破壊したことだけでも称賛に値するが」
親衛隊の持っている盾は2つ。3つは粉々になって地面に散らばっている。
「どうやら止めはまだ刺していないようだが、まあそこは元同僚のよしみだ。父親の貴様から殺してやろう」
「クリアス…すまん…こんな不甲斐ない父親を許してくれ…」
観念したイアランに向かい、剣を構えるファルコン。そして…
シュパン……………
血飛沫が上がり、灰色だった大地を赤く染めた。イアランの胸部を斜めに切り裂いた剣戟を後ろに、ファルコンは武器を鞘にしまった。
バタン、とイアランは大地に仰向けになって倒れた。
「イアラン…貴様は結局何も守れなかった。あの時も…そして今も。貴様は所詮、それまでの男だったのだ…」
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