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しかしクリアスの周囲の火山灰が、少しずつ動いている。
「なんだ?」
そしてその直後、激しい突風が火山灰を巻き上げ、周囲にいた兵士たちは、その場で少しよろめいてしまった。
「な…なんだ今のは?」
「急に突風が……ん?」
そして次の瞬間、兵士たちの回りを吹きすさぶ風に舞い上がった火山灰が、竜巻のようにグルグル回転し、彼らをとり囲んだ。
何やら異変を感じ、ファルコンはその竜巻の中からなんとか脱出したが、見る見るうちに竜巻の威力は大きくなり、やがて巻き込まれた親衛隊の体が、鎧を着込んで重量感のある体が次々と空中へ巻き上がっている。
「お、おい!」
「ファ、ファルコン様!これは一体……うわーーっ!」
灰色の火山灰が竜巻の中の様子を映さないので、間一髪難を逃れたファルコンは、竜巻の中で何が起こっているか分からなかった。
「い…一体何が起こっているんだ…前兆などなかったはず…」
竜巻は気候の変化などの前兆を経て通常は発生する。だが今は何もないところで急に発生した。ファルコンも、まったく理解できなかった。
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