1 目覚めた力

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刹那、と呼ぶほど一瞬。 ファルコンはクリアスの体を通りすぎた。自分でも会心の一撃を喰らわせた手応えを感じていた。 が。 ボロッ ファルコンの剣が、刀身の途中から上が、砕けるようにこぼれ落ちた。 「なっ……私の、ファルシオンソードが……力も増強していたはずなのに、なぜ」 「盾で受け止めたからな」 「盾だと?そんなものどこに…」 クリアスは盾など持っていない。何を言っていると思ったのもつかの間。 「……風、か」 「確かに真正面からあんたの剣を受けたらひとたまりもない。風であんたの突進力を弱めたんだ。あんたが気付かないくらいの一瞬な。まあそれとこの剣のおかげでもあるが」 「…バスタードソード…剣の本質である、相手を切り裂く、のではなく、相手を砕くことに長けた王家の至宝…それで私の剣を打ち砕いたのか…」 「さあ、解説はもういいだろ。終わりにしてやる」
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