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「俺、実を言うと、お前の本当の父親じゃないんだ」
「うん、なんとなく知ってた」
通常なら、人生観すら変わりかねない衝撃の告白を、黒髪の少年はいともあっさり受け止めた。
「知ってた?」
「だって俺と父さん、似てないじゃん。顔だってそんな濃くないし、髪の色も違うし、目の色だって」
「おいおい、誰が顔が濃いんだよ」
父さん、と呼ばれた、背の高い銀髪の中年が顔をしかめる。濃いと形容された顔は、目鼻付近の彫りが深く、やはり誰が見ても濃いという印象を受けるだろう。
「なんだ、もう少し驚くと思ったんだけどな」
「そもそもこんなとこで暮らしてる時点でうちが訳ありなのはわかってるから」
「……」
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