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人数は6人。全員が武装している。着込んだ鎧に盾、そして細剣。どこかの国の兵士のようないでたちだ。
だがクリアスにとっては、そもそもこの場所に自分たち以外の人間が来ること自体が前代未聞なため、兵士云々以前にこの異常事態に緊張を覚えていた。
「イアラン…まさか生きていたとはな。相変わらず見事な剣さばきだったぞ」
兵士たちの中央にいた、口元に髭を蓄えた中年が声を発した。恐らくはリーダー的な人物なのだろう。
「やれやれ…見つかっちまったか」
「え?父さんの知り合い?イアランって誰?」
クリアスの問いに答えたのは、リーダー格の兵士。
「その銀髪の男がイアランだよ。君の父親、と言った方がわかりやすいかな?普段はジャックという名前を使っていたようだが」
「え?」
あまりにも唐突な出来事にクリアスは動揺した。だが父親は確かにジャックと名乗っており、この男の言っていることが間違いではないのかもしれない、ということも感じていた。
「イアラン、その少年は一体何だ?見たところ、関係性は親子そのものだが、血のつながりはなさそうだが」
「まさしくその通りだよファルコン。こいつは俺の実の息子じゃない」
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