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「クリアス、あれがトーナメント表だ。見に行こう」
受付を終え広間の中にある巨大なモニターの前に二人は行った。さすがに人だかりができているが、なんとか数字は見れる。
「私は…一回戦はA会場の第7試合か。相手は144」
「368…368……あった!H会場の…第1試合」
「第1試合ということはもうすぐ始まるぞ。点呼の時点で居なければ棄権扱いになってしまうから、早く会場へ行くんだ」
クリアスはアルティアに道順を教えてもらい、場所へ急ぐ。
「しかし都会の建物はなんでこうも迷路みたいなのばかりなんだ…」
なんとか場所へたどり着いた。先着者がいた。288の番号を付けていた。
(288…最初の相手)
288の番号を付けた人物は身体がでかく、筋骨隆々の、いかにもパワーに自信あります、みたいなやつだった。
「お、あんたが368番か。中々若いな」
「ど、どうも…」
「どちらかはここで消えることになるが、正々堂々頑張ろうぜ」
見た目はいかついが、中身はかなり紳士のようだ。差し出された手を握り返し、クリアスは気合いを入れ直す。H会場の開幕試合。イレブンと当たるまで、負けるわけにはいかない。
「それでは288番、368番。始まりますので会場へどうぞ」
「はい」
クリアスの決意、その眼差しはしっかり前を見据え、会場へゆっくり歩き出した。
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