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月曜日って気が重いものだったけど、今のあたしには待ち遠しい。 だって翔兄に邪魔されずに、堂々と先生に会えるから。 いつもより少し早めに家を出て、学校までの道すがら作戦を練る。 いつ、どこだったら人目を気にせず先生とゆっくり話せるかな。 休み時間は短いし、昼休みだって人目はあるし。 やっぱり放課後かな。 ピアノの居残りレッスンをして、その後で……。 そんなことを考えていたら、あっという間に学校に到着。 まだ人もまばらな教室で、あたしは手持ちぶさたで窓から外を眺めていた。 そうしていると── 「えー!?うっそ、まじで?」 「まじだよー。さっき先生達が話してるの聞こえちゃったんだ」 「えー、やだ。超ショック」 ……なんの話だろ。 ちょうどあたしの真後ろに立って雑談していた女子数人が、なにやら盛り上がっていた。 ……気になる。 「……なんの話~?」 野次馬根性がニョキッと芽を出して、あたしは振り返って話に加わった。
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