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「あのねー、なんか石田っちとタニマ、デキてるらしいよ」 ……は? 「さっき、階段のとこで安西先生と百合子先生が話してるの聞こえちゃったんだよね」 学校にバレないように緩くかけたパーマを揺らしながら、クラスメートは声を潜めて話してくれた。 けど、あたしの頭、うまく回らない。 なんで? なんでいきなりそんな話になってるの? 「あんましっかりとは聞こえなかったし、先生達もあたしに気付いたら話やめちゃったんだけど。でも、『石田先生とタニマかあ』とか『あの後2人でどこに消えたんだろ』とか。ね?これって、2人がデキてるってことだよね?」 ショックと言いつつ、どこか得意げに話を続けるクラスメート。 まるで特ダネを嗅ぎ付けて喜ぶ芸能リポーターのよう。
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