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「嫌だあ。なにが嫌って、相手がタニマなのが嫌」
「タニマじゃなくても嫌だよ。あたしの石田っち」
「いやあんたのじゃないから」
まだ考えがまとまらないあたしを置いてけぼりにして、みんなはどんどん話を進めている。
……いや、うん。
大丈夫。
ちょっとビックリしたけど、そんな話は嘘だって、ちゃんと分かってる。
だって昨日の先生は、いつもと変わらなかったもの。
きっと、先週の親睦会で、色んな誤解や思い込みが重なってそんな話になっているんだろう。
タニマ先生と……だなんて、ない。
ないない。
絶対ない。
だって先生の彼女はあたしだもん。
──あ。
先生が話したがってたことって、もしかしてこのことだったのかな。
変な噂が流れるかもしれないけど、全部嘘だから心配するなよって言ってくれるつもりだったのかもしれない。
それなのに翔兄がいて2人になれなかったから、言いそびれちゃったんだ。
うん。
そうだ。
大丈夫。
あたしは先生を信じてるもん。
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