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言ってる意味が分からず、あたしは眉をひそめた。
「どういうことですか？好きじゃないのに、付き合ってって言ってるんですか？」
「……付き合えっつーか……。いや、まあ、そんな感じ」
「そんな感じってどんな感じですか」
濁した言い方がますます気になり、あたしは食い下がった。
先生は言葉を選んでいるのか、なかなか話し出さない。
そのあげく──
「でもきっぱり断ったから安心しろ」
あたしの質問を無視して、強引に話を進めた。
……あ、怪しい……。
先生が嘘をついているとは思わないけれど、全てを話してくれているわけでもない。
なんで？
あたしが子どもだから？
言っても分からないと思ってる？
先生とタニマ先生との間にあった出来事が分かってスッキリしたはずだった心が、またモヤモヤ曇っていく。
「……先生。あたし、先生が思ってるほど子どもじゃないよ」
「え？」
「ちゃんと考えるし、分からなかったら聞く。だから、あたしには言っても無駄って思わないでください。ちゃんと話してください」
「結城……」
先生が、驚いたように目を見開いた。
あたしはじっとその先生の瞳を見つめる。
やがて、先生は短く息をはいて──
「悪かった。でも、お前には言っても無駄だなんて思ってない。ただ単に、俺が言いたくなかっただけだ」
『言いたくなかった』
その言葉に、嫌な予感が胸をよぎる。
なんだろう。
何もないとは言いつつも、あたしに対して後ろめたいことが、少しはあったんだろうか。
でも、例えそういうことがあったんだとしても、あたしは先生を──
「言いたくなかった、胸くそ悪すぎて。あの女、俺のことは好きじゃない、ただ…………寝たいだけなんだそうだ」
「…………は？」
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