恋愛嗅覚

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だけど、これを貸しだと思わせて、 いつか貸しを返してもらうと言って 何か大きなことをしてもらう…なんてのもありかもしれない。 …なんて、 私はそこまで悪女じゃない。 今日、望愛の衣装合わせに出向いたのは何やらモンスターのおばさまの経営するブティックとのこと。 高級な音楽に高級な香り。 こんなところに出入り出来るなんて、望愛ってば… 「さすが、社長夫人」 私が冷やかすと望愛は一瞬何のことかわかっていない様子で驚いて、少し間を置いてから顔を赤らめた。 「まだ…違うもん」 「まだって…もうすぐじゃん」 「そうよね、もうすぐよ、望愛ちゃん!」 モンスターのおばさまの千草さんは…どうやら私と奈美と気が合うタイプらしい。 さっきから話が盛り上がる、盛り上がる。 「ですよね―――!!!」 「ね―――!!」
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