恋愛嗅覚

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予鈴が鳴り終わると、私は秘書室。 「常務、何だったの?」 理央が自分の席に着きながら言った。 「…ちょっと、相談事」 「相談?常務が?」 「…うん」 すると、今度は望愛が心配そうに私の顔を窺う。 「…何かあったの?」 「まあ…何かあったと言えばあったんだけど…」 「どうしたの?」 「何があったの?」 理央と望愛が険しい顔をする。 「ああ、そんな顔しないで。何でもないの。そんな深刻なことじゃないから」 この二人には何を話しても大丈夫。 私は続けた。 「常務の息子さんとお見合いすることになったの」
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