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その後、私は再び常務から話を聞き、本当のお見合いさながらに話が進んでいった。
まずは釣書(ツリショ)を作成する。
釣書というのは相手に渡す…まあ、履歴書のようなもの。
学歴や職歴に加えて、健康状態や趣味を書き、両親の学歴や職歴も記載する。
「嘘は…書けませんでした」
どこかのお嬢様を装って書くことなんて出来なかった。
私の父は普通のサラリーマンで母はパートに出ている。
ごくごく普通の一般家庭で、はっきり言って、常務の奥さんならこの釣書を見ただけでお見合いを断ってくるかもしれないと思った。
それならそれで、私はかまわない。
だけど、その場合は常務の役には立てなくなるけれど。
けれど、数日後には…
お見合いの日取りが決まっていた。
奥さんも釣書には目を通してくれたのだという。
もちろん…本人も。
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