恋愛嗅覚

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金曜日。 「いよいよ明日だねー!!」 理央は私よりもはしゃいでいる。 望愛はその横で微笑んでいる。 「何着ていくかもう決めたの?」 「…ううん。帰ってから。何着ていけばいいのかな…」 「って、まだ決めてないの!?お見合いだよ!お見合い!!」 「…そうだけど、普通とは違うでしょ?ご両親は同席しないし、会うのは二人だけなの。常務が話してくれてるはずだから、実際はかしこまっても何でもないの」 「そうなの?」 「…うん。とりあえず…お見合いをしたって事実をつくるだけ。後は私の方から断るって手はず。常務の奥さんも相手から断られたんじゃ諦めるしかなくなるって…常務が」 「へえ…。奈美も大変だね」 「…あはは。まあ、楽しんでくる」 「楽しめるの?相手は『変わり者』なんでしょ?」 「いいの。いいの。どうせ私も変わってんだから」 私が笑うと理央も望愛も笑った。
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