恋愛嗅覚

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長身にスーツ姿。 一瞬でわかった。 一言で彼を表現するならば… 『常務の若かりし頃』 「…森川…さんですか?」 聞くまでもないけど、一応聞いてみる。 「そ、よろしく」 彼は軽く挨拶をした。 「よ…よろしくお願いします」 …う、どもるな私。 「じゃ、行こうか」 私が会釈した頭を上げると彼は既に歩き出していた。 それも… 正面玄関のガラスに向かって。 「あ、あのっ…」 この後は二階のカフェバーのはず…。 彼は振り返った。 「こんなところにいたってつまらないだろ?」
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