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「しょ、正気に決まっている!私はそのために軍に入り、親衛隊を目指している。元帥をいつでもそばで守れるようにだ」
エルセラは顔を若干赤くしながら答える。照れて赤くなった顔をそっぽを向き隠そうとする。先ほどまでの戦いの時には見られなかった乙女の顔を前に、リオナのボルテージは一気に上がる。
「アンタが軍隊に入りたいその動機は百歩譲って別にいいんだけどさ!結婚している人を無理やり奪おうっていうその精神と、子供のアタシたちを使おうとするそのやり方がヤバいって言ってんのよ!!お金の問題でどうにかできるもんじゃないことくらいわかんないの!?」
「そうっすよ。まあ、親父ならアウトですが、若くて結婚してない俺ならセーフですよ?」
「黙ってろクソガキ!!」
リオナのボルテージが最大に達した所で茶々を入れてしまったディオは、拳骨で沈められてしまう。
「そ、そうか。悪かったな。元帥は正々堂々、真正面から奪いに行くとしよう」
「全然わかってないわ!既婚者に手を出すこと自体やめろって言ってんのよ!」
まるで漫才のようなやり取りが続き、ようやくエルセラの表情が元に戻る。
「もういい。これ以上は時間の無駄だ。手間をかけたな」
「はぁ、はぁ。マジで意味わかんないわアンタ…」
息を荒げるリオナに背を向け、エルセラは城の奥に向かって歩き始めた。
「ちょっと!話はまだ終わってないでしょ!」
「いや、もういい。すまなかったな。しかし、私は諦めない。元帥は必ず手に入れてみせる」
「何もわかってないんかコラァ!!」
リオナの怒鳴り声に振り返ることなく、エルセラはそのまま奥に歩いて姿を消した。
「全く!せっかく強いやつと会えたと思ったのに、こんなに頭ぶっ飛んでるなんて!」
「全くだ。父さんも案外モテるんだな、歳の差不倫ってやつ?」
「黙れボケ!!それ以上言うとまた殴るわよ!!」
エルセラに振り回された2人は、ようやく城から出て行くため歩き出した。
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