英雄の娘

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「お姉ちゃん早くー!」 テーブルに並べられた美味しそうな料理を前に、リオナを急かすユイ。 ディオは料理の腕は一人前であり、それは姉のリオナよりも上手かった。 「ふん、相変わらず料理だけはできんのね」 「うっせーな」 兄弟三人揃ったところで、各々は料理に手をつけていく。 「美味いか?ユイ」 「うんっ!」 「ならよかった」 可愛らしく無邪気なユイを撫でるディオ。 リオナはただ黙って食べている。それを見たディオは、微笑みまじりにため息をついた。 「あんだよ…『アタシにも聞いて』な顔してさ」 「そんな顔してないわよっ!」 「まあまあ。どうだ、美味いか?」 ディオの大人加減が気にくわなかったリオナだが、ぷいっと目を反らしながらも答えた。 「口答えせずにさっさと作ればいいのよ」 「はは、すんませんねぇ」 ケンカは多いが、なんだかんだで仲はいい。それが、リオナたち三兄弟であった。
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