英雄の娘

13/25
前へ
/271ページ
次へ
野次馬に取り囲まれる中、男とリオナの言い合いがピークに達しようとしていた。 「女のくせに大口たたいてんじゃねーよ。今度こそ本当に怪我すんぞ」 「アンタこそアタシに負けるのが怖いんでしょ?今謝れば骨折くらいで許してあげるわよ」 その時、騒ぎを嗅ぎつけた女性の教師がとめに入ってきた。 「ちょっとあなたたち何してるの!!やめなさい!」 「ふん」 リオナは舌打ちをしながら教室へ戻って行く。 「クロードくん、あなたヴァン先生から呼ばれてるはずでしょ?早く行きなさい」 「…」 さすがに教師の前ではリオナたちもそれ以上は何も言えず、クロードと呼ばれた男も、職位室へ歩いて行く。 「まったく…ヴァン先生の悩みの種はこれなのかもね…」 女性教師もヴァンのことを気の毒に思いながら、野次馬の生徒たちを解散させた。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加